概要:米アップルはパソコン(PC)の「Mac」とタブレット「iPad」の販売減少に歯止めをかけるべく、複数の新モデルを来年の早い時期に発売する方向で準備している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
23年はiPad史上初めて新モデルが発売されない年に
iPad Airの新モデル、初めてサイズが2種類用意-関係者
米アップルはパソコン(PC)の「Mac」とタブレット「iPad」の販売減少に歯止めをかけるべく、複数の新モデルを来年の早い時期に発売する方向で準備している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
この取り組みには「iPad Air」と「iPad Pro」、「MacBook Air」のアップデートが含まれる。製品発表前だとして関係者は匿名を条件に話した。iPad Airの新モデルには初めてサイズが2種類用意され、Proモデルには有機EL(OLED)ディスプレーが採用される。一方、MacBook Airにはより高速なプロセッサー「M3」が搭載される。
合計でアップルの売上高の15%を占めるMacとiPadは、消費者のハイテク支出減少で大きな打撃を受けている。新モデルの発表がないこともiPadの不振に拍車を掛けた。実際、2023年はiPad史上初めて新モデルが発売されない年になりそうだ。
Macの新モデルはこの1年に発売されたが、コンピューター市場はコロナ禍で急増した後の反動に直面している。7-9月(第4四半期)のMac売上高は34%減の76億1000万ドル(約1兆1200億円)、iPadの売上高は10%減の64億4000万ドルだった。アップルの総売上高に占める両製品の割合はこのところ低下しており、かつてはごくわずかに過ぎなかったサービスの割合が今はかなり大きくなっている。
関係者によると、iPadとアクセサリーは3月末ごろに発売される予定で、基本ソフト(OS)「iPadOS 17.4」もリリースされる見通し。Macは「macOS 14.3」とともに開発されている。ソフトのアップデートは1月末から2月にかけてリリースされる可能性が高いが、ハードウエアは3月までは出荷されない可能性がある。
アップルがMacとiPadの発表イベントを3月ごろに開催するのは異例ではない。同社の広報担当者は計画についてコメントを避けた。