概要:11月の米雇用統計では雇用者数と賃金の伸びが市場予想を上回り、労働市場の力強さが示された。米金融当局が来年早期に利下げに動くとの市場の期待をしぼませる内容だ。
非農業部門雇用者数は前月比19万9000人増-失業率3.7%に低下
平均時給は前月比0.4%増-今年最大の伸び率に並ぶ
11月の米雇用統計では雇用者数と賃金の伸びが市場予想を上回り、労働市場の力強さが示された。米金融当局が来年早期に利下げに動くとの市場の期待をしぼませる内容だ。
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11月の雇用者数では、ストライキを実施していた自動車メーカー従業員の職場復帰が3万人の押し上げにつながった。労働参加率も小幅に上昇。
全米自動車労組(UAW)のスト終結に伴い製造業分野の雇用が上向いたことに加え、医療や娯楽・ホスピタリティー、政府部門が全体の伸びをけん引。他の分野では伸びが小幅にとどまるか、小売りのように減少するかだった。
今回の統計で示された労働市場の力強さは、インフレ率を確実に目標水準に下げるため高水準の借り入れコストを維持するという金融当局の方針を裏付けている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は来週開く会合で政策金利を据え置くと、市場では広く予想されている。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はこれまで、市場で強まる早期利下げ期待を繰り返し押し返している。
平均時給は前月比0.4%増と、今年最大の伸び率に並んだ。前年同月比では4%増。
労働参加率は62.8%に上昇。男性の参加率上昇が全体を押し上げた。労働力の供給がさらに増えれば、賃金の伸び緩和につながる可能性がある。
統計の詳細は表をご覧ください。