概要:JPモルガン・チェースは、債券利回り低下と比較的緩やかなデフォルト(債務不履行)率を背景に、来年の米社債リターンは1桁台後半になると予想している。
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2023年12月8日 9:38 JST
投資適格債のリターンは8%、ハイイールド債は9%と見込む
利回り低下と比較的緩やかなデフォルト率がリターン提供へ
JPモルガン・チェースは、債券利回り低下と比較的緩やかなデフォルト(債務不履行)率を背景に、来年の米社債リターンは1桁台後半になると予想している。
同行クレジット調査グローバル責任者スティーブン・デュレーク氏は7日、ニューヨークのブルームバーグ本社で行われたブルームバーグ・インテリジェンスの会議で、ソフトランディング(軟着陸)のシナリオではリターンが投資適格債で8%、ハイイールド債で9%が見込まれると語った。
同氏は基調講演で「スプレッドではなく金利の低下が実際にリターンをもたらす方向にある」と指摘。「特にレーバーデーの連休明け以降、企業は資本市場の追い風をうまく利用してきた」と語った。
ブルームバーグの指数データによれば、米ハイグレード債の指標となる指数は11月に6%上昇し、トータルリターンで2008年以来最大の伸びを記録。ジャンク債もリターンが4.5%のプラスと、ほぼ同様の好成績となった。
JPモルガンによると、米経済は鈍化するもののリセッション(景気後退)を回避し、インフレ率は米金融当局の目標である2%に緩やかに向かう見通し。約6週間前まで同行アナリストは、当局が各四半期に約0.25ポイントずつの緩和を開始すると想定していた。現在では、基本的には6週間ごとの利下げを見込んでいると、デュレーク氏は述べた。
来年見込まれていた分のリターンがかなり前倒しで実現されたが、「ハイグレード、ハイイールドともに来年は1桁台後半のリターンがなお達成可能だと引き続き考えている」と語った。