概要:米労働省労働統計局(BLS)が8日に発表する11月の雇用統計では、リセッション(景気後退)突入に伴い、失業率の小幅上昇が示されるとブルームバーグ・エコノミクス(BE)は予想している。
スト終結で一時的に雇用押し上げ-ブルームバーグ・エコノミクス
「10月にリセッション入りした可能性があるとみている」と説明
両氏は「求職者が職を見つけるのは難しくなっており、失業の期間が長引けば通常、失業率の持続的な上昇につながる」と指摘するとともに、「10月にリセッション入りした可能性があるとわれわれはみている」とコメントした。
主要な労働年齢人口の就業率が新型コロナウイルス禍以前の水準に戻ったことで、雇用の伸びは今年に入り減速し、インフレ鈍化を背景に賃金の伸びも鈍っている。
BEでは、UAWとSAGーAFTRAのスト終結で11月の非農業部門雇用者数は4万1000人押し上げられ、前月比で計16万1000人の増加となると見込んでいる。
ただ、「新規雇用はヘルスケアと政府の二つのセクターだけに集中した公算が大きい」とした上で、「製造業や金融、専門・ビジネスサービスは明白な減少、その他のセクターは横ばいかわずかな増加にとどまる見通しだ」との予想を示した。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる米金融当局が昨年3月に着手した急ピッチの金融引き締めキャンペーンは、今年7月の利上げで打ち止めとなったと見受けられ、先物市場の動向に基づけば、当局が来年3月にも利下げを開始するとの見方が投資家の間で広がっている。
ウォン、ポール両氏は米金融当局について、「早いうちに利下げすれば経済のソフトランディング(軟着陸)の達成は可能だ」とする一方、利下げ開始がずれ込めば、その時点で労働市場の負のフィードバックループは既に始動し、「ハードランディングのシナリオの可能性が最も大きくなる」と分析した。