概要:米最大の公的年金基金の一つがプライベートエクイティー(PE、未公開株)チームのかなりの部分を失った。同ファンドはPEへの投資配分を引き下げる方針を示している。
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2023年12月8日 11:56 JST
PSERS、投資配分が目標上回るオーバーアロケーションの問題
PEへの投資配分を17%から目標の12%に引き下げる方針
米最大の公的年金基金の一つがプライベートエクイティー(PE、未公開株)チームのかなりの部分を失った。同ファンドはPEへの投資配分を引き下げる方針を示している。
ペンシルベニア州公立学校職員退職年金基金(PSERS)のPE投資チームのメンバー4人が退職か転職すると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
PSERSのPE・共同投資ディレクター、ダレン・フォアマン氏は来年1月に退職する予定で、パトリック・ナップ、トニー・メドウズ、フィリップ・バングラフェイランド各氏は新たな機会を求めていると、関係者は語った。
PSERSは人事関連事項についてはコメントしないとしているが、広報担当の話では、在籍する投資専門家は63人で、このうち12人が主にプライベート市場の担当だという。PE投資チームを退職した4人はコメントを控えたか、すぐには返答しなかった。
PSERSの運用資産は9月30日時点で約760億ドル(約10兆9000億円)。資産配分報告書によると、3月31日時点でポートフォリオの約120億ドルをPEが占めた。その中にはアポロ・グローバル・マネジメントやベイン・キャピタル、サーベラス・キャピタル・マネジメントが運用するファンドも含まれている。
直近の四半期報告書によれば、PSERSのPE部門のリターンは3月までの10年間で年率約13%と、資産クラス別で最も高い。しかし、同資産クラスへの投資配分は目標を上回っており、PSERSはこの配分を現在の17%から目標の12%に引き下げるとしている。
PSERSはこうしたオーバーアロケーションの問題で、PE投資を縮小している他の公的年金と同様の状況に置かれている。これは多くのバイアウト企業にとって厳しい資金調達環境につながっている。