概要:ゴールドマン・サックス・グループは10日、バンク・オブ・イングランド(英中央銀行)の金融政策について、来年8月に利下げを開始した後、従来予想よりも速いペースで追加利下げを進めるとの見通しを示した。
2025年半ばに3%に達するまで政策金利を引き下げると予想
24年を通じ5.25%に据え置かなければならなくなる可能性も
ゴールドマン・サックス・グループは10日、バンク・オブ・イングランド(英中央銀行)の金融政策について、来年8月に利下げを開始した後、従来予想よりも速いペースで追加利下げを進めるとの見通しを示した。
ヤリ・ステーン氏らエコノミストはリポートで、英中銀が最初の0.25ポイント利下げに続き、その後の毎回の会合で同幅の利下げを進め、2025年半ばに3%に達するまで政策金利を引き下げると予想。従来は四半期ごとに1回のペースの利下げを見込んでいた。
ゴールドマンのエコノミストは「こうした急ペースは過去の利下げサイクルや、欧州中央銀行(ECB)を巡る当社の新たな見通し、一段と急速なインフレ鈍化予想に一層沿ったものだ」と説明した。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)も英中銀に関し、力強い基調的物価上昇圧力と景気の弱さのバランスを図り、来年8月に最初の利下げに踏み切ると予想する。英中銀は今週、3会合連続で政策金利を5.25%に据え置く決定を下すと見込まれている。
ゴールドマンでは、見通しを巡り「かなり」の不確実性があると強調し、基調的インフレの鈍化ペースが予想よりも「緩慢」な場合、24年を通じ政策金利を5.25%に据え置かなければならなくなる可能性が30%あるとしている。