概要:流動性逼迫(ひっぱく)に見舞われている中国の不動産開発業者、碧桂園は、人民元建て債で初のデフォルト(債務不履行)を回避する見込みだと、事情に詳しい関係者が明らかにした。人民元建て債の保有者の大半が、今週の返済を要求しないことで合意したという。
8億元相当の人民元建て債-13日に返済求めるオプション付き
ほとんどの保有者はオプションを行使しないことで合意した
流動性逼迫(ひっぱく)に見舞われている中国の不動産開発業者、碧桂園は、人民元建て債で初のデフォルト(債務不履行)を回避する見込みだと、事情に詳しい関係者が明らかにした。人民元建て債の保有者の大半が、今週の返済を要求しないことで合意したという。
深圳証券取引所は先週、8億元(約160億円)相当の債券の一部の保有者と会談しこの合意に向け働き掛けた。この債券には投資家が来年の満期より前に、今年12月13日の返済を要求できるオプションが付いていたが、ほとんどの投資家はこのオプションを行使しないことに同意した。非公表の情報だとして関係者が匿名を条件に述べた。
10月にドル建て債で初のデフォルトに陥った碧桂園は、なおもオプション行使を計画していた少数の人民元建て債保有者に返済するための現金も用意したと、関係者は語った。
この展開は碧桂園が少なくとも今のところ、直ちに危機が悪化するのを避けられることを意味するが、世界で最も大きな負債を抱えるデベロッパーの1社である同社が直面する課題は終わったわけではない。
オプション付き人民元建て債は債務不履行に備えるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)付きで発行されたが、このCDSも13日で失効する。
保有者がオプション行使を見送る見返りとして、CDSを販売した国有企業2社は来年12月の満期まで有効な追加スワップを発行すると関係者は述べた。
碧桂園はコメントを控えた。
同社は9月、総額147億元相当の9銘柄のオンショア債の返済延期で保有者の承認を得た。
しかしドル建て債の債務不履行の結果、同社が中国史上最大規模のリストラに向かう可能性はなお高い。