メーシーズへの買収提案､不動産価値が全てか-高級百貨店スピンオフも

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2023年12月12日 11:30 JST

ビューティーチェーンのブルーマーキュリー分離も考えている可能性

• 投資家グループは少なくとも一部不動産資産売却に関心がありそうだ

老舗百貨店チェーンを運営する米メーシーズに買収提案を行った投資家グループは、メーシーズの数十年にわたる下り坂傾向に歯止めをかけることに恐らく興味はないだろう。

むしろ不動産資産を買い入れ、高級百貨店のブルーミングデールズと、メーシーズが2015年に買収したビューティーチェーンのブルーマーキュリーを場合によってスピンオフ（分離・独立）したいと考えている可能性が高い。アナリストらが指摘した。

アリックスパートナーズのグローバル・リテールプラクティスの元責任者ジョエル・バインズ氏は「中堅百貨店を買収するより簡単に金もうけできる場所が存在する。この場所で金もうけを目指し、脳にダメージを被ることを望むのはなぜだろう」と問い掛けた。

投資会社アークハウス・マネジメントと資産運用会社ブリゲード・キャピタル・マネジメントが、メーシーズの株式非公開化に向け、１株21ドルで買収提案を行ったとブルームバーグ・ニュースが伝えた。ディールの価値の大部分を不動産資産が占めると考えられる。

老舗百貨店チェーンを運営する米メーシーズに対し、投資家グループが58億ドル相当の買収提案を行ったとブルームバーグ・ニュースが伝えた

Source: Bloomberg

バインズ氏や他のアナリストによれば、買い手候補は、高級百貨店のブルーミングデールズはもちろん、少なくとも一部不動産資産の売却に関心がありそうだ。大衆向けのメーシーズ百貨店チェーンほど急減ではないが、ブルーミングデールズの今年８－10月（第３四半期）の既存店売上高は3.2％減少した。