概要:プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社アトラス・マーチャント・キャピタルは、米国の地方銀行に投資するために、5億ドル(約708億円)余りの資金調達を目指している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
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2023年12月14日 14:08 JST
上場および未上場地銀のエクイティーとデットが投資対象-関係者
アトラスはバークレイズのダイアモンド元CEO率いる投資会社
ボブ・ダイアモンド氏
Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg
アトラス・マーチャントの広報担当はコメントを控えた。
関係者によると、ダイアモンド氏は投資家との会議で、大手行以外で多角的な金融サービス業界の繁栄が必要だとの見解を繰り返し示している。業界再編を見込むアトラス・マーチャントは、より体力のある地銀に投資機会があるとみており、このうち数行が規模の小さい他行の買収に資本注入を活用することを視野に入れているという。
ダイアモンド氏は、米国のコミュニティーバンクやスペシャリストバンク、地銀について、家族経営や中規模企業を含む顧客に対してより質の高いサービスを提供するケースが多いと指摘している。
今年前半には地銀業界が混乱に陥り、顧客の預金引き出しが急増する中で、シリコンバレー銀行やシグネチャー・バンク、ファースト・リパブリック・バンクなどが相次いで破綻した。問題を抱えたその他の地銀の間では、破綻回避のために吸収合併の動きが進んだ。