概要:13日の米国債相場は、複数の米地銀が破綻した3月以来の大幅上昇となった。この日の米連邦準備制度からのシグナルを利上げ終了を示唆するものだと受け止めたトレーダーが、2024年の利下げにより積極的に賭ける姿勢を強めた。
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2023年12月14日 8:37 JST
FF金利スワップが織り込む今後1年間の利下げ幅、FOMC後拡大
2年債利回り、30bp余り低下-5年債は4%割り込む
13日の米国債相場は、複数の米地銀が破綻した3月以来の大幅上昇となった。この日の米連邦準備制度からのシグナルを利上げ終了を示唆するものだと受け止めたトレーダーが、2024年の利下げにより積極的に賭ける姿勢を強めた。
米国債利回りは、金融政策の変更に最も敏感な短期債を中心に全ての年限で低下。2年債利回りは一時31ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)急落し4.42%。5年債は4%を割り込んだ。長期債の利回りも一時、少なくとも14bp低下した。
米金融当局は今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを5.25-5.5%に据え置いた。この日公表された最新のドット・プロット(金利予測分布図)では、24年末時点のFF金利の予想中央値は4.625%と、9月時点の予想中央値5.125%から低下。FF金利のスワップレートは、来年の140bp余りの金融緩和を織り込む水準となった。FOMC前は約113bpの利下げを織り込んでいた。
ブラックロックのポートフォリオマネジャー、ジェフリー・ローゼンバーグ氏はブルームバーグテレビジョンで、「これは投資家にとって青信号だ」と指摘。連邦準備制度は「これまで目にしてきたものに非常に満足」しており、「経済面でそれを押し返すような何らかのファンダメンタルズのデータが出るまでは、これにあらがうことはできない」と述べた。