概要:国際エネルギー機関(IEA)は14日、今年10-12月(第4四半期)の石油需要拡大ペースの見通しを引き下げた。主要国での経済活動低迷に伴い、世界で需要の伸びが急減速しているというのが理由。
国際エネルギー機関(IEA)は14日、今年10-12月(第4四半期)の石油需要拡大ペースの見通しを引き下げた。主要国での経済活動低迷に伴い、世界で需要の伸びが急減速しているというのが理由。
IEAは月報で、10-12月に見込まれる需要の増加を日量約40万バレル下方修正。来年も拡大ペースの大幅な減速が予想されている。一方、米国やブラジル、ガイアナでの増産は、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」による減産分を相殺しているという。
IEAは「石油需要の減速を示す証拠が増えつつある」とし、「需要拡大の勢い失速は一段と明白だが、これはマクロ経済情勢の悪化を反映している」と続けた。
新型コロナ禍後の消費回復が寄与し、今年の世界石油需要は引き続き日量230万バレル増えて同1億170万バレルと、過去最高に達する見通しだ。
しかしこの回復が一段落し、より燃費効率の高い自動車や電気自動車(EV)への買い替えが進む中で、来年の石油需要の伸びは50%程度縮小し、日量110万バレルと予想されている。