概要:ニューヨーク・マンハッタンの家賃は11月に前年比で下落した。前年を割り込むのは2021年半ば以来で、賃宅住宅市場が季節的な弱さ以上の低迷に直面していることがうかがえる。
11月の新規賃貸契約は中央値4000ドル、前年同月比2.3%下落
季節的な弱さ以上の低迷も、急激な調整は予想せず-ミラー
ニューヨーク・マンハッタンの家賃は11月に前年比で下落した。前年を割り込むのは2021年半ば以来で、賃宅住宅市場が季節的な弱さ以上の低迷に直面していることがうかがえる。
不動産鑑定会社ミラー・サミュエルと仲介会社ダグラス・エリマン・リアル・エステートによると、先月の新規賃貸契約は中央値で4000ドル(約57万円)と、前月比4.6%下落。前年同月比では2.3%下落した。前年比での下落は27カ月ぶり。
ミラー・サミュエルのジョナサン・ミラー社長は「これは季節性を超えるものだ。弱い市場ではないが、ここ数年の熱狂よりは弱い」と指摘した。
家賃は7月と8月に過去最高の4400ドルを記録して以来、過去3カ月で9.1%下落と急速に下げている。2021年半ばに雇用主が労働者をオフィスに呼び戻し始めたことに始まった家賃高騰はいくらか収まりつつあるものの、新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)になる前の2019年11月と比べるとまだ11%も高い。
マンハッタンの空室率が年率で14カ月連続で上昇し、2.93%に達したため、家賃は下落した。ミラー氏によると、民泊会社エアビーアンドビーなどが提供する短期賃貸サービスへの新たな規制を市が導入したため、家主が物件を民泊市場から通常の賃貸市場にシフトさせたため、在庫が増加したことを反映している可能性がある。
ミラー氏は小幅な家賃下落が今後数カ月は続くと予想しているが、通常より家賃が高くなる春から夏を前にした急激な調整は予想していない。