概要:2024年米大統領選で勝敗を左右する重要州の1つ、ミシガン州ではトランプ前大統領がバイデン大統領を支持率で引き離していることが、ブル-ムバーグ・ニュースとモーニング・コンサルトによる世論調査で明らかになった。同州有権者は米経済を悲観している。
24年米大統領選世論調査、支持率はトランプ氏46%:バイデン氏42%
バイデン氏、労組世帯の支持得られず-インフレが女性支持率に影響
2024年米大統領選で勝敗を左右する重要州の1つ、ミシガン州ではトランプ前大統領がバイデン大統領を支持率で引き離していることが、ブル-ムバーグ・ニュースとモーニング・コンサルトによる世論調査で明らかになった。同州有権者は米経済を悲観している。
11月27日から12月5日に実施した同調査での支持率はトランプ氏が46%で、バイデン氏は42%。10月と11月初旬に行われた調査では同率だった。
ミシガン州でのトランプ氏のリードは4ポイントで、世論調査の誤差範囲内ではある。それでもトランプ氏は現在、大統領選の結果に大きく影響する激戦州7州全ての月次世論調査でバイデン氏をリードしている。
ミシガン州でバイデン氏は、郊外の女性および18-34歳の層で支持率を下げた。現職大統領として初めて全米自動車労組(UAW)のストに参加したにもかかわらず、労働者世帯からの信頼感を十分に得られず、それがトランプ氏の追い風となったことも調査では明らかになった。
UAWのデモに参加するバイデン大統領(ミシガン州ベルビル、9月26日)
ミシガン州で支持を失うことは、再選を目指すバイデン氏にとって大きな打撃となる。2020年大統領選では、同州を得票差15万4188票で制したこともバイデン氏の勝利につながった。トランプ氏にとってもミシガン州は極めて重要だ。勝利を収めた2016年大統領選では、長く民主党の牙城だった同州を1万704票差で制していた。
バイデン氏に対する女性の支持率が下がっている背景には、インフレの長期化がありそうだ。ミシガン大学経営大学院で公共政策などを教えるサラ・ミラー准教授は、女性は男性よりも食料品の買い物をする機会が相対的に多く、生活必需品の価格上昇を目の当たりにしていると語る。
モーニング・コンサルトの世論調査員でバイスプレジデントのキャロライン・バイ氏は、「女性は今の経済状況や日常品やサービスの価格への満足度が低いことが総じて見て取れる」と指摘。「経済による打撃をより大きく受けていると女性たちは感じているようだ」と語った。
調査では、バイデン氏がミシガン州の労働組合世帯からの支持を得ることに失敗していることも浮き彫りとなった。
「自動車産業の労働者は、エネルギーと経済の観点でトランプ氏の政策に対する親和性の方が高い」と話すのは、フェイスブック上でトランプ氏を支持する自動車労働者のグループを立ち上げたブライアン・パネベッカー氏だ。
つい最近まで四半世紀にわたり働いていたフォード・モーターの工場の近くにあるレストランで取材に応じた同氏は「グループのメンバーが投票するのはトランプ氏の政策に対してだ。彼らはバイデン氏の行動を直接目にする機会があったが、それを気に入ったようには思わない」と語った。