概要:石油トレーダーのピエール・アンデュラン氏のヘッジファンドは今年、過去最悪の損失に向かっている。商品相場予想が外れ、3年間の連騰に終止符を打つ。
石油トレーダーのピエール・アンデュラン氏のヘッジファンドは今年、過去最悪の損失に向かっている。商品相場予想が外れ、3年間の連騰に終止符を打つ。
同氏の主力ファンド「アンデュラン・コモディティーズ・ディスクレショナリー・エンハンスト」は8日までで年初来パフォーマンスがマイナス54%となっている。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。
このままいけば、アンデュラン氏(46)にとって、10年前に以前の事業を閉鎖しヘッジファンドをスタートさせて以後、最悪のマイナスとなる。同ファンドは過去3年間、投資家の資金を7倍余りに増やしていた。
2023 | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 | |
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リターン | -54%* | 59% | 87% | 154% | -15% |
*12月8日まで |
同氏の大胆な強気予想や、原油が1バレル=140ドルに達するという見通しに基づく取引は今年、高水準の石油供給で価格低迷が続き、失敗に終わった。
アンデュラン氏は先月のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米国の原油生産拡大に加え、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の一部メンバーから供給の回復力に驚いたと述べ、自身の予測を縮小したと明らかにしていた。