概要:世界最大かつ最古の上場投資信託(ETF)「SPDR・S&P500ETFトラスト(SPY)」に先週、前例のない規模の資金が流入した。米連邦公開市場委員会(FOMC)が来年に利下げする可能性を示唆したことを受け、株価が過去最高値近辺に上昇したことが背景。
世界最大かつ最古の上場投資信託(ETF)「SPDR・S&P500ETFトラスト(SPY)」に先週、前例のない規模の資金が流入した。米連邦公開市場委員会(FOMC)が来年に利下げする可能性を示唆したことを受け、株価が過去最高値近辺に上昇したことが背景。
ステート・ストリートが運用する4780億ドル(約68兆円)規模のSPYに15日、208億ドル(約2兆9600億円)が流入。これは1993年の同ファンド開始以来最大の資金流入。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によれば、全てのETFにとって1日として最大のフローとなった。ブルームバーグ集計のデータによると、週間ベースの資金流入額も240億ドル超と、過去最高を記録した。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズのSPDR米州調査責任者マット・バルトリーニ氏は、SPYへの資金流入について、取引増加につながることで知られる複数のイベントと重なったと指摘した。
15日はS&P500種株価指数とナスダック100指数の構成銘柄入れ替えが実施される前の最終取引日だった。こうした状況に伴い、多額の資金を運用するファンドは、新たな指数の構成に合わせるために再調整を行う可能性がある。
また、計約5兆ドル相当のオプションが同日に満期を迎えた。こうした場合、ウォール街の運用者は通常、既存のポジションをロールオーバーしたり、新たなポジションを開始したりするのが一般的だ。
バルトリーニ氏は電話取材に対し「15日にみられたフローは、100%顧客、投資家、トレーダーからのものだった」と指摘。「また、ここ数日にみられた大規模なサンタクロース・ラリーも反映している。そのため、モメンタム取引もSPYに向かっていることが分かる」と述べた。