概要:欧州の自動車販売台数は11月も増加し、1年4カ月連続で前年同月の水準を上回った。メーカー各社が引き続き受注残の消化を進めたためで、このままいけば今年通年では2桁台の伸びとなりそうだ。
11月の新車登録台数は108万台、EVが全体の17%占める-ACEA
このままいけば2023年通年では2桁台の伸びとなる見込み
欧州の自動車販売台数は11月も増加し、1年4カ月連続で前年同月の水準を上回った。メーカー各社が引き続き受注残の消化を進めたためで、このままいけば今年通年では2桁台の伸びとなりそうだ。
欧州自動車工業会(ACEA)が20日発表した11月の新車登録台数は前年同月比6%増の108万台。バッテリー式電気自動車(EV)は総販売台数の17%を占めた。
インフレ鈍化が家計の負担軽減につながる中、これまでの累積需要が自動車メーカー各社に恩恵をもたらしている。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)は、欧州における今年の自動車販売台数の伸びを14%と予測。しかし、ユーロ圏のリセッション(景気後退)リスクが依然として高いほか、支援の縮小や不完全なインフラなどで買い控えが広がり、EV需要は鈍化している。
域内最大市場のドイツは5.7%減少。バッテリー駆動の社用車に対する政府補助金の段階的廃止が響いた。同国は過去に例を見ない財政危機に見舞われており、EV向けインセンティブも予定より1年前倒しで打ち切る計画だ。
好調な受注を背景に、フォルクスワーゲン(VW)は9.2%増、ルノーは6.5%増えた。一方、ステランティスは2.8%減少した。