概要:米鉄鋼大手USスチールのデービッド・ブリット最高経営責任者(CEO)は18日、1260万ドル(約18億円)相当の自社株を売却した。株価は日本製鉄による買収計画発表を受けて大幅上昇したが、ブリット氏の売却はそれ以前に立てられた計画に従ったものだった。
売却はSECの規則に沿っており、非公開情報に基づくものではない
日本製鉄によるUSスチール買収計画発表の2日後にSECに届け出
この買収計画発表は投資家に好意的に受けとめられ、株価は18日に26%高と急伸したものの、一部の民主党有力議員や全米鉄鋼労働組合(USW)の反対に直面している。
ブリット氏による売却はSECの規則の下で認められるものであり、買収発表前にあらかじめ決められていた計画の一部だった。
USスチールの広報担当アマンダ・マルコウスキ氏は「デービッド(・ブリット氏)は、個人的なファイナンシャルプランの一環として6月初めに策定された、SECの規則『10b5-1』計画を有する。同氏がこの計画を策定した時点では、USスチール株は22.63ドルで取引されていた。計画の下では売却価格が49.87ドルに設定されており、買収のニュースを受けて株価が同水準を超えたことで売却につながった」と説明した。
多くの企業幹部は10b5-1計画を提出し、所定の時間枠で株式を売却することを事前に知らせ、それが重大な非公開情報に基づいていないことを証明する。これにより、幹部らは予測可能なパターンで自社株を売却することができ、他の投資家への動揺を最小限に抑えることが可能となる。