概要:英投資会社アバディーンと米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、リセッション(景気後退)リスクが高まる中で、英国債に対し米国債を上回るリターンを見込んでいる。
英投資会社アバディーンと米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、リセッション(景気後退)リスクが高まる中で、英国債に対し米国債を上回るリターンを見込んでいる。
アバディーンはここ数週間、英国債へのエクスポージャーを増やしている。20日発表された英消費者物価指数(CPI)統計ではインフレ率が市場予想を下回り、同社の見方はさらに強まった。短期金融市場では、イングランド銀行(英中央銀行)の利下げ観測が加速。現在、来年に少なくとも5回の0.25ポイント利下げが織り込まれている。同規模の利下げが6回実施される確率は約60%と想定されている。
アバディーンの投資ディレクター、ルーク・ヒックモア氏は「この日のインフレ統計は、英国経済の弱さを物語っている」と述べ、「米国のCPIは低下がいったん休止した。私は以前から英国が先に利下げに踏み切るだろうと考えている」と続けた。
一方、英経済がハードランディングに見舞われる可能性が高まったとしてピムコは英国債のポジションを通常よりも積み増していると、同社のダニエル・アイバシン最高投資責任者(CIO)が英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙に語った。同氏は英国は米国よりも景気後退リスクが大きく、消費者は米国以上に金利上昇の打撃を受けるとみている。