概要:RBCグローバル・アセット・マネジメントはユーロが来年、約10%上昇すると予測した。全般的なドル安と海外からの漸進的なユーロ資金環流に後押しされるという。
グローバル債券・通貨責任者のフィジャルコウスキー氏と、副社長兼シニア・ポートフォリオマネジャーのミッチェル氏は「全般的なドル安という追い風がユーロ上昇に寄与し、欧州経済見通しが明るさを欠いても年末時点で堅調だろう」と分析した。
ユーロは20日の取引で一時0.3%安の1.0944ドル。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は10月末から約4%下落している。
円については、来年1ドル=130円に円高・ドル安が進み、パフォーマンスが最も高い通貨の一つになると予想。ただ、この見通しはドル安と日本銀行の金利政策転換に「大きく依存している」とも指摘した。またポンドも向こう1年に1ポンド=1.31ドルに上昇すると見込み、こちらもドル安に支えられるとした。
RBCのリポートによると、2014-22年に約4兆ユーロ(約628兆円)が域外に投資されたが、そのうち戻ってきた資金は「ほんの一部」に過ぎない。
フィジャルコウスキー、ミッチェル両氏は「短期金利が1年半前に比べ4.5ポイント上昇していることから、そうした資金が環流するにつれ、ユーロの需要が漸進的かつ持続的に高まる」と予想。「欧州経済の見通しが米国との比較で改善するにつれて、このアロケーションシフトは加速するだろう」と分析した。