概要:中国最大級の国有銀行は、1年間で3回目となる預金金利引き下げを行う。政府が消費と需要の喚起を狙う政策を進める一方、利ざや縮小に直面する大手行は収益性の維持に努めている。
2023年12月21日 20:49 JST
中国工商銀行、22日から一部の預金金利を最大25bp引き下げ
銀行の純金利マージン、9月時点で過去最低の1.73%
中国最大級の国有銀行は、1年間で3回目となる預金金利引き下げを行う。政府が消費と需要の喚起を狙う政策を進める一方、利ざや縮小に直面する大手行は収益性の維持に努めている。
中国工商銀行は22日から一部の預金金利を最大25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げると発表した。1年物の預金金利は年1.55%から1.45%に、2年物は1.85%から1.65%に引き下げられる。3年物は2.2%から1.95%に、5年物は2.25%から2%に下がる。
不動産セクターの苦境が深まる中で、中国は大手国有銀行に経営難に陥っている不動産会社を支援するよう働きかけている。
銀行の純金利マージン(NIM、利ざや)は9月時点で過去最低の1.73%に低下。適正な収益性を維持するために必要とされる1.8%を下回った。一方、不良債権は過去最大を記録しており、主要国有銀行の一部では2017年から続いていた増収が今年で止まる可能性がある。