概要:米電気自動車(EV)大手テスラがS&P500種株価指数の採用銘柄として取引を開始してから、20日でちょうど3年になる。その後の株価乱高下は、テスラ株保有者にS&P500種に資金を投じた方が賢明だったのだろうかと疑念を抱かせている。
採用後テスラ株は11%上昇、S&P500種は同期間に28%高
真の「自動走行技術」、いち早く実現させられるかどうかが鍵
テスラ株価とS&P500種株価指数、ブルームバーグの「7強株」リターン指数
確かにこの3年間にテスラ株がさえない動きとなった陰には、非常に高いボラティリティーがある。一時はS&P500種採用直前の水準から80%近く上昇した一方で、半値を割り込んだこともあった。
アナリストが設定するテスラ目標株価平均は、向こう1年で約6%下落するとの予想を反映している。EV需要が2024年に衰えると広く予測されていることを考えれば、これは驚きではない。
テスラの業績に慎重な見方強まる、24年のEV需要減速見据え
そこで留意したいのはテスラがいつか、真の意味での自動走行車をどこよりも早く完成させるかもしれないという希望だ。
データトレック・リサーチの共同創業者、ニコラス・コーラス氏の見立てではテスラの評価の約3分の2は「完全自動運転」技術の成功にかかっている。しかし同社はこの点で、最近の事例を含め何度かつまずいている。
テスラが200万台リコール、自動運転支援システムの不具合修正 (1)
「テスラの評価、つまりボラティリティーと将来の潜在的リターンは真の自律走行車を提供する能力と切り離せない」とコーラス氏。「それが実現すると信じる投資家は株を保有するだろう。テスラが1位か2位でゴールインできることを疑う投資家は、株を保有しないだろう。現時点では、かなり二元論的な投資案件だ」と話した。