概要:S&Pグローバル・レーティングは、不動産投資会社ブルックフィールド・プロパティー・パートナーズの発行体信用格付けをジャンク級(投機的水準)に引き下げ、見通しを「ネガティブ」とした。借り入れコスト上昇や低調なオフィス需要といった環境の中で、同社の信用の質が劣化したとしている。
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2023年12月22日 6:10 JST
S&Pはブルックフィールド・プロパティーを「BB」に格下げ
オフィス不動産への逆風は向こう数年間は続く見通し-S&P
S&Pグローバル・レーティングは、不動産投資会社ブルックフィールド・プロパティー・パートナーズの発行体信用格付けをジャンク級(投機的水準)に引き下げ、見通しを「ネガティブ」とした。借り入れコスト上昇や低調なオフィス需要といった環境の中で、同社の信用の質が劣化したとしている。
S&Pグローバルの21日発表によると、同社はブルックフィールド・プロパティーの格付けを2段階引き下げ「BB」とした。これまでは投資適格級で最低の「BBBー」だった。また同社は向こう2年間に債務償還を控えているとし、見通しを「ネガティブ」で維持した。
ここ数年、金利上昇により商業用不動産の価値は打撃を受けている。特に、リモート勤務がより定着する中でオフィス市場はより深刻な低迷に見舞われている。不動産分析会社のグリーンストリートによれば、オフィスとショッピングモールの価格は2022年1-3月(第1四半期)にピークを付けたが、それ以降、オフィスは35%、ショッピングモールは20%それぞれ下落している。
S&Pグローバルのアナリスト、マイケル・サワーズ氏は「商業用オフィス不動産が直面している逆風は、向こう数年間は全般的に続くと当社はみている。テナント維持力は落ち込み、占有率も低下、また新規テナント誘致のためのインセンティブは増大している」と記した。