概要:26日に実施された米国債入札に買いが殺到した。市場が米連邦準備制度による2024年の積極的な利下げ路線を織り込む中、足元のより高い水準で利回りを確保する動きが活発化している。
トレーダーは24年の利下げに賭ける姿勢を強めており、金利スワップ市場の織り込みでは150ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度の累積的な緩和が見込まれている。米金融当局が今月、来年の利下げ幅見通しを計75bpとし、9月時点の見通しを上回る利下げペースを示唆したことを受けて、市場の織り込みが勢いを増した格好だ。結果的に、金融緩和の開始前に、足元の利回り水準で期間長めのTビルを確保する動きが活発化している。
TDセキュリティーズの米金利戦略責任者、ジェナディー・ゴールドバーグ氏は、強い入札結果について、「利下げ開始がかなり近くに迫っていると警戒される中で、デュレーション長期化を継続することに積極的な投資家心理をうかがわせる」と指摘した。
6カ月物入札の結果は、最高落札利回りが5.08%。一方、1年物の最高落札利回りは4.595%と、4月以来の低水準となり、足元のフェデラルファンド(FF)金利をわずか75bp程度下回る水準となった。同時に実施された3カ月物入札の最高落札利回りは5.26%だった。
2年債入札の最高落札利回りは4.314%と、5月以来の低水準となった。次はより長い年限の入札が焦点になる。27日には5年債、28日には7年債の入札が予定されている。