概要:2024年の英国経済はリセッション(景気後退)を回避し、下期には景気が加速するとエコノミストらは予想している。インフレ鈍化と長期化している生活費高騰の緩和が消費者に恩恵をもたらすとの見方が背景にある。
景気は24年下期に加速する見通し、総選挙の実施時期に影響か
「24年の見通しは、12カ月前の予想よりも明るい」-エコノミスト
2024年の英国経済はリセッション(景気後退)を回避し、下期には景気が加速するとエコノミストらは予想している。インフレ鈍化と長期化している生活費高騰の緩和が消費者に恩恵をもたらすとの見方が背景にある。
ブルームバーグがエコノミスト52人を対象に実施した調査では、財務省とイングランド銀行(英中央銀行)が来年の経済をソフトランディング(軟着陸)に導くと見込まれている。成長率は0.3%となり、リセッションの回避が予想されている。
英国は25年1月までに選挙を公示する必要がある。 景気が選挙結果を左右するとすれば、スナク首相にとって最大のチャンスは、向こう1年の予測から判断して夏まで待つことだ。予測に基づけば英国はドイツと並び主要7カ国(G7)の経済成長率ランキングで下位になる可能性があるが、来年は実質所得の伸びが見込まれている。
コンサルティング会社PwCのチーフエコノミスト、バレット・クペリアン氏は「24年の見通しは、12カ月前の予想よりもはるかに明るい」と語った。
ブルームバーグの調査に応じて四半期予測を提出したエコノミストのうち、ほぼ3分の1が23年10-12月(第4四半期)の景気縮小を予想している。2四半期連続のマイナス成長という一般的なリセッションの定義にあてはまる。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の英国担当シニアエコノミスト、ダン・ハンソン氏は24年初頭もまだ不安定だという。英国経済の「前半は景気の停滞と縮小の間で微妙なラインを踏むだろう」と述べた。
ただ夏以降は状況が上向く見通しだ。ブルームバーグの調査では下期の成長率は四半期ベースで0.2%までの回復が見込まれている。