概要:米地区連銀の幾つかの調査によれば、2024年の採用は減る見通しだ。賃金の伸びを抑制し、インフレ圧力の緩和につながる傾向と言える。
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2023年12月28日 10:58 JST
採用は減る見通し、賃金の伸び抑制とインフレ圧力緩和へ
今年12月の非農業部門雇用者数は前月比17万人増の予想
ペンシルベニア州の大部分とデラウェア州、ニュージャージー州南部などを含むフィラデルフィア連銀の管轄地区では、製造業の雇用者数見通しの指数が09年以来の低水準となっている。
ニューヨーク連銀の調査によると、同州のサービス業者のうち雇用増を予想する割合は過去3年間で2番目に小さいものとなり、製造業者の場合、17年3月以来最も小さい数字となった。
ダラス連銀の二つの調査では、テキサス州の製造業者とサービス業者の約30%が従業員数を「理想的」とみていることを示唆し、年初時点から約7ポイント増えた。従業員数は過剰だが解雇はしないとの回答は約15%で、1月時点のほぼ2倍の数値となった。
同州製造業者のうち雇用増を見込んでいる割合は20年3月以来の低水準となり、サービス業者は3年強ぶりの低水準近辺で推移している。
Texas firms assessment of employment | Oct 2022 | Jan 2023 | Dec 2023 |
---|---|---|---|
Understaffed/looking to hire for new positions | 30.8% | 27.8% | 21.4% |
Understaffed/looking to hire for replacement only | 19.7% | 18.6% | 16.9% |
Understaffed but not hiring at this time | 12.3% | 14% | 13.1% |
At ideal staffing level | 21.2% | 23% | 29.7% |
Overstaffed but not laying off workers | 4.8% | 6.8% | 14.6% |
Overstaffed and laying off workers | 3.6% | 3.9% | 2.6% |
リッチモンド連銀の12月の製造業雇用見通しの指数は20年5月以来の低水準に並んだ一方、サービス業の指数は改善した。
企業は熟練労働者の不足が引き続き問題だとしているが、労働力需給が均衡に向かっていることが調査で示された。
ダラス連銀によれば、年間ベースの賃金上昇率は21年に7%、22年にはさらに加速したものの、24年には4.3%への鈍化が見込まれている。カンザスシティー連銀の管轄地区では、賃金見通しの指数が3年ぶりの低水準に落ち込んだ。