概要:ゴールドマン・サックス・グループは企業の合併・買収(M&A)助言業務で7年連続でシェア首位の座を守った。2023年はディールメーキングにとって過去10年で最も厳しい年となったが、同社は追撃を目指す競合他社をかわした。
ゴールドマン・サックス・グループは企業の合併・買収(M&A)助言業務で7年連続でシェア首位の座を守った。2023年はディールメーキングにとって過去10年で最も厳しい年となったが、同社は追撃を目指す競合他社をかわした。
ブルームバーグの集計データによれば、23年に保留・完了のM&Aは世界全体で総額2兆1600億ドル(約305兆円)相当と、過去最高を記録した21年の3兆8000億ドルを下回った。
このうちゴールドマンは今年発表のあった235件、計6710億ドル強相当のM&Aで助言を手掛け、シェアは31%となった。シェア2位は今年半ばの時点でトップだったJPモルガン・チェース。
ゴールドマンでグローバルM&Aプラクティスの共同責任者を務めるマーク・ソレル氏は業界リーグテーブル(番付表)における同社のパフォーマンスについて、「あらゆるセクター、あらゆる地域」でチーム一丸となって成し遂げたと説明した。
米石油大手エクソンモービルによるシェール大手パイオニア・ナチュラル・リソーシズ買収と、石油大手シェブロンによる同業ヘス買収の2大エネルギー関連ディールでゴールドマンがいずれもアドバイザーを務め、同社のシェア増大につながった。
JPモルガンに対するゴールドマンのリードは昨年からは縮小したものの、同社は16年以降、競合大手各社に対して全般にシェアを広げている。首位に躍り出た初年の17年のシェアは27%だった。
ゴールドマンをはじめとする各社は24年の回復に備えている。過去1年間のディールの減少は世界の最大手での多数の人員削減につながったが、業界の一部はディールの回復を見込んで採用に取り組むなどしている。
M&A Advisory Rankings | 2023 Market Share | 2022 Rank |
---|---|---|
Goldman Sachs | 31.2% | 1 |
JPMorgan | 27.4% | 3 |
Morgan Stanley | 27.2% | 2 |
Bank of America | 18.2% | 4 |
Citigroup | 17.2% | 5 |
Centerview | 11.8% | 16 |
Evercore | 10.7% | 14 |
Barclays | 8.0% | 7 |
UBS | 7.6% | 6 |
RBC | 6.4% | 17 |
Source: Data compiled by Bloomberg |