概要:米モルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマン会長は、米規制当局が昨年提案した新たな銀行規制は「極度に意欲的」だったとし、導入される前に「大幅に巻き戻される」可能性が高いとの見方を示した。
米当局が昨年提案した新たな銀行規制「大幅に巻き戻されるだろう」
今月からCEO職にテッド・ピック氏が就任
米モルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマン会長は、米規制当局が昨年提案した新たな銀行規制は「極度に意欲的」だったとし、導入される前に「大幅に巻き戻される」可能性が高いとの見方を示した。
ゴーマン氏は3日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「確実に変更されるだろう」と述べ、当局者らは同提案に関して数千もの意見を受け取ったと付け加えた。「極度に意欲的で、一つの指標となるような提案だった。あのような形では通らないだろう。実施されれば、全米の企業融資に非常に悪い影響を及ぼすだろう。それは望ましいことではない。経済成長にはつながらない」と話した。
モルガン・スタンレーのゴーマン会長、ブルームバーグテレビジョンで語る
金融界では国際的な資本規制の枠組みである「バーゼル3」と関連する米国の提案を巡り、激しい議論が繰り広げられている。バーゼル3導入の取り組みは2008年に起きた金融危機への対応として始まった。米当局がこれを承認すれば、大手銀行は余剰資本の20%近い積み増しを求められる。
「公表されたものが最終的な規制の内容となる可能性は極めて低い」とゴーマン氏は指摘。「これは極めて意欲的な提案であり、最終的に法律や規制になる時には大幅に巻き戻されているだろうと考えている」と語った。
ゴーマン氏は昨年5月、最高経営責任者(CEO)職を退任する計画を発表。同10月に、共同社長を務めていたテッド・ピック氏が次期CEOに選ばれた。ピック氏は今月CEOに就任し、ゴーマン氏は執行会長職を続けている。