概要:ユーロ圏のインフレは2023年12月に加速した。域内の各国政府が高騰していたエネルギーコスト対策の支援を打ち切ったことが背景にあり、欧州中央銀行(ECB)が目指すインフレ率2%への道のりの険しさが浮き彫りとなった。
CPIは2.9%上昇、前月2.4%上昇-予想には一致
エネルギーインフレ減速鈍る、22年12月はドイツ政府補助で価格低下
ユーロ圏のインフレ率
12月のエネルギー料金の上昇率は減速が前月に比べ大きく鈍った。これはドイツ政府が22年12月に決定した家庭の暖房費補助が大きく影響した。変動の激しい項目を除くコアインフレ率は5カ月連続で低下し、3.4%となった。
総合インフレ率の加速は23年4月以来。ここ数カ月間でインフレ率は大幅に低下したが、ECB当局者は目標達成には依然困難があるとして警戒感を示している。統計上の影響に加え、各国が政府支援の段階的な解除を続けていることから、今年のインフレ率低下はより緩やかなペースになると見込まれている。