概要:米国のマネー・マーケット・ファンド(MMF)の資産残高が過去最高を更新した。投資家が年末に資金を守る動きを取る中、米財務省短期証券(TB)などに投資するガバメントMMFへの資金流入が増えた。
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2024年1月5日 6:18 JST
1月3日終了週、MMF総資産は5兆9650億ドルに増加-ICI
ガバメントMMFへの資金流入が増加をけん引
米金融当局が2022年に数十年ぶりの積極的な金融引き締めに乗り出して以来、個人投資家の資金がMMFに押し寄せている。しかし当局は先月、引き締め策の終了を示唆し、今年は利下げする見通しを示した。
連邦公開市場委員会(FOMC)は昨年12月12ー13日に開いた会合で、主要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を3会合連続で5.25-5.5%に据え置いた。同会合議事要旨では、政策当局はインフレ抑制に進展が見られたと結論づけたが、インフレの持続的な鈍化が明確になるまで、当面は政策が景気抑制的なスタンスにとどまることが適切になるとの見解を再確認したと記された。
1月3日終了週の内訳をみると、主にTBや現先取引、政府機関債などの証券に投資するガバメントMMFの資産は647億ドル増え4兆8780億ドル。一方、コマーシャルペーパー(CP)など相対的にリスクの高い資産に投資する傾向があるプライムMMFの資産は103億ドル増の9617億ドルだった。