概要:ウォール街きっての弱気派として知られるモルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏が、米国株に対する暗い見方を和らげつつある。
米経済のソフトランディング実現を今年の基本シナリオに
米国株が上値伸ばすには、成長の再加速が必要だろうと指摘
ウォール街きっての弱気派として知られるモルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏が、米国株に対する暗い見方を和らげつつある。
昨年は米株投資を避けるよう助言してきたウィルソン氏だが、今週には米経済が今年、ソフトランディング(軟着陸)を実現するというのが自身の基本シナリオであり、成長が再び上向けば、米国株がさらに上値を伸ばすこともあり得ると述べた。
ウィルソン氏はリポートで「米国株がここから大きく上昇するには、金利が比較的落ち着いている状況で、成長が再加速する必要があるだろう」と論じている。2008年のような企業利益の大幅な落ち込みと株急落が起こるとしていた昨年の見通しからは大きな方向転換だ。実際には米国株は昨年、大きく値上がりした。
ウィルソン氏はここ数カ月、株式に対してより建設的な見方を強めているが、年末時点のS&P500種株価指数の予想は、現在の水準を6%近く下回る水準だ。モルガン・スタンレーでは、ウィルソン氏は見通しを変えていないとしているが、顧客向けのリポートでは同氏の見解に顕著な変化がうかがわれる。昨年12月には、米金融当局のハト派的転換は米国株にとって「強気な展開」と述べていた。