概要:欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は10日、ユーロ圏経済は昨年終盤に縮小していた可能性があり、恐らく今後も低迷が続くとの見通しを示した。
2024年1月10日 19:17 JST
急速なディスインフレのペースは24年には減速へ
投資家は年前半の利下げ見込みを堅持-春に開始と予想
「23年に見られた急速なディスインフレのペースは24年には減速し、年初には昨年12月と同様に一時的に停止する公算が大きい」とデギンドス氏は語った。
投資家やアナリストは、ECBが目標とするインフレ率2%への険しい道のりの過程でユーロ圏経済が緩やかなリセッションに陥ることを予想してきた。最近は、利下げが大半の当局者が示唆するよりも早い春に開始されることを見込んでいる。
ただ、ECBは消費者物価の抑制で早々に勝利宣言をすることには慎重だ。当局は注意深く賃金動向を見守っており、それが明らかになるまでには数カ月かかるだろう。
ビルロワドガロー・フランス中銀総裁は9日、ECBが24年中に利下げに踏み切ることを再確認したが、時期について具体的な指針は示さなかった。
ブイチッチ・クロアチア中銀総裁は今週、夏までに何らかの措置を講じる可能性は低いと述べたが、一方でセンテノ・ポルトガル中銀総裁は、賃金に関して完全に明瞭になるのを待つ必要はないとしてECBがより早期に動く可能性があると論じた。
ECBの年内利下げをあらためて示唆、時期は言及せず-仏中銀総裁
ユーロ圏失業率、11月は6.4%に低下-景気後退懸念も過去最低水準に
ECB、今夏より前に利下げをすることは恐らくない-ブイチッチ氏
ECB、5月より前に政策変更で決断の可能性も-ポルトガル中銀総裁