概要:米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は10日、金融政策はインフレ率を金融当局の目標に戻すのに十分なだけ引き締められているが、利下げ前にインフレの落ち着きを示す証拠がもっと必要だとの認識を示した。
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2024年1月11日 6:34 JST
「しばらくの間」景気抑制的スタンスを維持する必要
ランオフを減速させるところまでには近づいていないとの認識表明
米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は10日、金融政策はインフレ率を金融当局の目標に戻すのに十分なだけ引き締められているが、利下げ前にインフレの落ち着きを示す証拠がもっと必要だとの認識を示した。
講演原稿によると、ウィリアムズ総裁は「現在の金融政策の景気抑制的スタンスがバランスの回復を継続させインフレ率を2%の長期目標に戻すというのが私の基本的な考え方だ」と説明した。
「金融当局の目標を完全に達成するにはしばらくの間、景気抑制的な政策スタンスを維持する必要があるだろう。インフレ率が持続的に2%に向かうと確信したときにのみ、抑制の程度を緩めることが適切となる」との見解を示した。
ウィリアムズ総裁はまた、ダラス連銀のローガン総裁が、政策当局は量的引き締め(QT)として知られるバランスシートのランオフ(償還に伴う保有証券減少)の減速を議論し始めるべきだと発言したことに異論を表明。銀行の準備預金は当局がQTに着手する前の水準とほとんど変わっていないと指摘した。
ウィリアムズ総裁は「連邦公開市場委員会(FOMC)は計画の中で、円滑な移行を確実にするため、準備預金残高が潤沢な準備預金に一致すると判断される水準を幾分上回った時点で、バランスシートの圧縮を減速させ、その後停止させる方針だとしている。今のところ、その時点には近づいていないように見受けられる」と述べた。