概要:米連邦公開市場委員会(FOMC)が早ければ3月に利下げに踏み切ると期待している投資家は、インフレがもたらすリスクを過小評価している可能性があると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストが指摘した。
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2024年1月13日 4:11 JST
CPIが失業率を上回る時、利下げしたのは過去90年間で5回だけ
1月10日までの1週間に株式ファンドからは71億ドルが流出
米連邦公開市場委員会(FOMC)が早ければ3月に利下げに踏み切ると期待している投資家は、インフレがもたらすリスクを過小評価している可能性があると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストが指摘した。
マイケル・ハートネット氏率いるチームがまとめたリポートによれば、現在のように消費者物価指数(CPI)の上昇率が失業率を上回る時に米当局が利下げを行うことはめったにない。過去90年間で5回だけだという。ハートネット氏は、このような利下げは戦争やリセッション(景気後退)によって引き起こされたと説明した。
米CPIは伸び加速、予想上回る上昇-早期利下げ期待が後退 (3)
EPFRグローバルのデータを引用したBofAのリポートでは、1月10日までの1週間に株式ファンドからは71億ドル(約1兆290億円)が流出し、投資家が既に楽観的な見方を後退させている兆しが示された。株式相場は昨年第4四半期に大きく上昇したが、金融政策の行方が意識される中、今月に入ってからは強弱が混在している。
ハートネット氏はさらに、紅海での商船への攻撃はインフレを引き起こすものだと指摘。過去4週間で輸送量は最大45%減少したという。
同氏は債券を選好しており、今年は債券が復活すると以前に予想していた。10日までの1週間で債券ファンドには139億ドルが流入した。
前年同月比での米コアCPI(白)、米失業率(青)