概要:国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミストで、米ハーバード大学教授のケネス・ロゴフ氏は、米経済が「深刻なリセッション(景気後退)」に陥らない限り、トレーダーが2024年に見込んでいる6回の米利下げが実施されることはないとの見方を示した。
2024年1月16日 22:34 JST
米国が深刻なリセッションに陥る確率は25%-ロゴフ氏
インフレは鈍化し、ソフトランディング達成する見通し-ロゴフ氏
ケネス・ロゴフ氏
ロゴフ氏は、世界経済フォーラム(WEF)年次総会が開催されているスイスのダボスでブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、6回の利下げについて「経済がソフトランディングすれば、それは空想になる。実際に起きることはない。利下げは2回か3回だろう」と述べた。
その上で、「深刻なリセッションも当然あり得る話で、そうなれば多くの利下げが実施されるだろう。いかにして深刻なリセッションに陥るか私には分からないが、確率は25%だ。実際にそうなれば利下げは6回ではなく、15回もあり得る」と付け加えた。
一方でロゴフ氏は、このところは多くのことが誤った方向に進んでいるとし、これからの1年が順調に進むとする大勢の見方には同意しかねると指摘。
「ダボスではそうしたコンセンサスが広がっているようだが、米国に関してより全般的に言えば、驚くほど良かった2023年ほど順調にはいかないだろう。ただ24年も悪くはならない。インフレは鈍化し、ソフトランディングを達成する見通しだ」と語った。