概要:米投資会社ブラックストーンが所有するマンハッタンのオフィスタワーに設定された3億800万ドル(約450億円)の不動産ローン債権が再び売りに出されている。同社は1年以上前にこのローンについてデフォルト(債務不履行)している。
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2024年1月17日 12:23 JST
ブラックストーンはローンの支払い停止-スペシャルサービシングに
3億800万ドルの不動産ローン債権、約1億5000万ドルで売り出し
米投資会社ブラックストーンが所有するマンハッタンのオフィスタワーに設定された3億800万ドル(約450億円)の不動産ローン債権が再び売りに出されている。同社は1年以上前にこのローンについてデフォルト(債務不履行)している。
事情に詳しい関係者によると、不良債権を扱うスペシャルサービサーであるミッドランド・ローン・サービシズは、ブロードウェイ1740番の物件をを担保とするローン債権を売却するため仲介業者の ジョーンズ・ラング・ラサールを起用した。この債権は商業用不動産担保証券(CMBS)にパッケージされ、約1億5000万ドルで売りに出されている。これは50%のディスカウントになる。
昨年9月にブルームバーグが報じたところによると、CBREグループのチームがこの債権の売却のため起用されたがその後すぐに市場から引き揚げられたという。
26階建てのタワー物件の価値は昨年4月に1億7500万ドルと査定され、住宅ローンが設定された2014年の6億500万ドルから71%低下していた。債務は22年3月にスペシャルサービシングに移行し、ブラックストーンは同ビルの運営資金不足への資金供給を停止すると発表。ローンの支払いも停止していた。
ニューヨークをはじめとする米国の各都市では、オフィス物件所有者らが借り入れコストの上昇、評価額の低下、リモートワークの増加によって打撃を受けた市場に苦しんでいる。撤退することを選択するオーナーもいれば、負債を増やして不動産を保有することを選択するオーナーもいる。