概要:ウォール街の「恐怖指数」は、昨年秋から続いていた膠着(こうちゃく)状態が解消され始めている。
VIXが一時200日移動平均線を突破、昨年10月以降で初めて
米企業決算への失望感広がればボラティリティー拡大も
ただ、恐怖指数がじりじりと上昇する中でも、パニック的なムードはほとんどない。S&P500構成銘柄間の30日物予想相関指数は17と、18年以来の低水準近辺で推移している。企業の決算発表でほぼ予想通りの結果が見込まれていることが背景にある。
半面、ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏はすでに控えめな市場予想を下回る決算内容となれば、ボラティリティーが拡大する要因になりかねないと指摘する。「予想以上の決算とはならず、米国債利回りが高止まりする場合、VIXがさらに上昇する可能性がある」とみる。「必要なのは、より高いバリュエーションを正当化する利回り低下、あるいはファンダメンタルズの改善だ」と指摘する。
17日のS&P500は前日比0.6%安の4739.21で引けた。ここ数週間は22年1月の高値付近で推移していたが、高値を更新できないでいる。