概要:米連邦準備制度理事会(FRB)が17日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、ここ数週間、底堅い消費に支えられる形で経済は前進し、製造業など他分野で見られた弱さが相殺されたと指摘した。
活動に「ほとんど、ないし全く変化なかった」-過半数の地区が指摘
「価格に対する消費者の感度が高まる」と多くの企業が指摘
米連邦準備制度理事会(FRB)が17日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、ここ数週間、底堅い消費に支えられる形で経済は前進し、製造業など他分野で見られた弱さが相殺されたと指摘した。
米小売売上高、3カ月ぶりの大幅な伸び-堅調な年末消費示す
ベージュブックは「ホリデー期間中、消費は大半の地区の予想通りとなったほか、ニューヨークを含む3地区では予想を上回り、安堵(あんど)感をもたらす結果となった」と記した。
また過半数の地区は、調査期間中の経済活動に「ほとんど、ないし全く変化がなかった」としたものの、今後については楽観を強めているとの認識が示された。
「総じて、大半の地区は企業の将来の成長見込みに関して前向きないし改善、またはその両方だった」と記された。
今回のベージュブックは12地区連銀が1月8日までに集めた情報を基にフィラデルフィア連銀がまとめた。
また全般的に見て、企業は調査期間中にインフレ圧力が緩和したとの認識を示した。ベージュブックは「価格に対する消費者の感度が高まったことで、小売業者は利幅の縮小を余儀なくされ、サプライヤーによる値上げの動きに抵抗した」と指摘。大半の地区で、投入価格が横ばい推移もしくは下落している企業の例が挙げられた。
ほぼ全ての地区が労働市場の軟化を示唆する兆候を1つ以上挙げ、半分余りの地区は全般的な雇用水準にほとんど、ないし全く変化がなかった。多くの地区で企業は今後1年間の賃金の伸びはさらに鈍化するとみている。