概要:17日の米株式相場は続落。景気が底堅さを示す中、連邦公開市場委員会(FOMC)は利下げを急がないとの見方から利回りが上昇し、株売りが優勢になった。
米小売売上高が3カ月ぶり大幅増、住宅市場指数は1年ぶり大幅上昇
NY原油は反発、中東情勢などで-金スポットは1カ月ぶり安値
17日の米株式相場は続落。景気が底堅さを示す中、連邦公開市場委員会(FOMC)は利下げを急がないとの見方から利回りが上昇し、株売りが優勢になった。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500種株価指数 | 4739.21 | -26.77 | -0.56% |
ダウ工業株30種平均 | 37266.67 | -94.45 | -0.25% |
ナスダック総合指数 | 14855.62 | -88.73 | -0.59% |
米小売売上高が力強い内容となり、金融政策を巡るハト派的な見解が後退。1-3月(第1四半期)中の利下げ確率が低下した。
米小売売上高、3カ月ぶりの大幅な伸び-堅調な年末消費示す (1)
ニュースレター「ザ・セブンズ・リポート」を創業したメリルリンチの元トレーダー、トム・エッセイ氏は「依然として健全で底堅い消費と一致するデータが必要になるだろう。ただし、米金融当局が利下げ時期を遅らせたり、2024年の利下げ幅を縮小したりするほどではないデータだ」と述べた。
米連邦準備制度理事会(FRB)が午後に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、ここ数週間、底堅い消費に支えられる形で経済は前進し、製造業など他分野で見られた弱さが相殺されたと指摘した。
米地区連銀経済報告:消費の底堅さ示す-労働市場は軟化示唆 (1)
米住宅建設業者のセンチメントは1月にほぼ1年ぶりの大幅な改善を示した。住宅ローン金利の低下を追い風に、購買見込み客足や販売、需要見通しが上向いた。
米NAHB住宅市場指数、ほぼ1年ぶりの大幅上昇-金利低下が追い風
キャピタル・エコノミクスのアンドルー・ハンター氏は、さらなる減速が待ち受けている可能性はあるものの、「より急激な景気後退が待ち受けていることを示唆するものはまだほとんどない」と述べた。
LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏は「消費者信頼感が勢いを得ており、経済状況は依然として力強い」と指摘。市場の反応から見ると、3月利下げに対する市場の期待は実現がますます難しくなっていると話した。
外為
ニューヨーク外国為替市場では、ブルームバーグ・ドル・スポット指数が4営業日続伸。堅調な米経済指標を受け、積極的な米利下げ観測が後退し、ドル買いが続いた。
為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
ブルームバーグ・ドル指数 | 1238.73 | 1.59 | 0.13% |
ドル/円 | ¥148.20 | ¥1.01 | 0.69% |
ユーロ/ドル | $1.0882 | $0.0007 | 0.06% |
米東部時間 | 16時46分 |
ドル指数は200日移動平均線を上抜いた。ドルはポンドを除く主要10通貨全てに対して上昇した。
円は一時、1ドル=148円52銭と、昨年11月下旬以来の安値を付けた。
原油
ニューヨーク原油相場は反発。中東情勢の緊迫化と米国の生産障害という強気材料と、金融市場全般に広がるリスク回避ムードが綱引きする格好となり、再び値動きの荒い展開となった。
地政学リスクのプレミアムは高止まりが続く。米国主導の空爆にもかかわらず、紅海ではイエメンの親イラン武装組織フーシ派が依然として周辺海域を通航する商船の脅威となっているほか、イスラエルとイスラム組織ハマスの紛争がパレスチナ自治区ガザ以外にも広がり、イランを紛争に直接巻き込みかねないとの懸念がくすぶっている。イランの隣国であるイラクとパキスタンの2カ国は、イランから攻撃を受けたと非難している。
パキスタン、イランが領内をミサイル攻撃と非難-緊張高まる
CIBCプライベート・ウェルスのシニア・エネルギー・トレーダーのレベッカ・バビン氏は、「原油市場はこれまで中東情勢の緊迫化リスクと需給面の弱さの間で揺れてきた」とし、「最近では、まだ供給を混乱させるには至っていない広範な中東リスクよりも、マクロ面での下振れを市場は懸念している」と指摘。「紅海でさらなる事件が起きればショートカバーを幾分誘発し、弱い需給環境で下値を支えるかもしれない」と述べた。
金スポット価格はニューヨーク時間午後2時35分現在、前日比23.46ドル(1.2%)安の1オンス=2004.98ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は前日比23.70ドル(1.2%)安の2006.50ドルで終了した。