概要:米アルファベットの人工知能(AI)部門、グーグル・ディープマインドの研究者2人が、パリでAI新興企業を設立する方向で投資家と協議している。内情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
2人は退社の意向を通知、資金調達ラウンドは2億ユーロ超えも
新たなAIモデルの構築に重点を置く可能性-関係者
米アルファベットの人工知能(AI)部門、グーグル・ディープマインドの研究者2人が、パリでAI新興企業を設立する方向で投資家と協議している。内情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
潜在投資家との間で話し合われている資金調達ラウンドは2億ユーロ(約320億円)超える可能性があり、これは投資が殺到しているAI分野としても大きな金額だという。
部外秘の情報のため匿名を条件に語った関係者によると、新興企業の設立を協議しているのはディープマインドの研究者ローレン・シフレ氏とカール・テュイルス氏の2人。このベンチャーは現時点で「ホリスティック」と呼ばれ、新たなAIモデルの構築に重点を置く可能性があるという。
両氏は複数回にわたるコメントの要請に応じなかった。ディープマインドの担当者はこの件に関するコメントを控えた。部外秘の情報のため匿名を条件に語った関係者によると、両氏は退社の意向を会社側に通知した。
シフレ氏は2016年にディープマインドが行った囲碁に関する研究の共同著者の1人。コンピューターシステムが初めて名人を破ったことを示した画期的な研究であり、AIを巡る世界的な熱狂に火をつけた。テュイルズ氏はゲーム理論やマルチエージェント強化学習の研究に取り組んできた。
両氏はそれぞれの分野のリーダーとして広く知られている。異例ともいえる多額の資金調達が検討されていることは、AI技術に対する投資家の強い関心を改めて裏付ける。フランスでは特にそうで、ベンチャーキャピタリストや財界の大物がパリの大学やシリコンバレーのAI拠点から誕生した新興企業に資金を注いでいる。