概要:22日の債券市場では、イタリア債が上昇。ドイツ債に対するイタリア債の上乗せ利回りが2022年4月以来の低水準に縮小した。同利回り差は欧州のリスクを測る主要な指標とみられている。イタリア債は欧州債の中でも特に利回りの高い国債の一つで、欧州中央銀行(ECB)が金融緩和に踏み切る前に投資家は高金利の確保を急いだ。
2024年1月22日 18:50 JST
10年債のスプレッド、152bpに縮小-22年4月以来の低水準
年内のECB利下げは約132bpと想定、今週は金利据え置き見込む
22日の債券市場では、イタリア債が上昇。ドイツ債に対するイタリア債の上乗せ利回りが2022年4月以来の低水準に縮小した。同利回り差は欧州のリスクを測る主要な指標とみられている。イタリア債は欧州債の中でも特に利回りの高い国債の一つで、欧州中央銀行(ECB)が金融緩和に踏み切る前に投資家は高金利の確保を急いだ。
ロンドン時間午前8時14分時点で、イタリア10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して3.82%。同年限のドイツ債とのスプレッドは152bpに縮小した。昨年10月後半のスプレッドは200bpを超えていた。
今月実施されたスペインとベルギーの国債入札でも需要は旺盛で、イタリア30年債への需要も同年限での過去最高に迫った。大量に見込まれている今年の債券供給に対し、市場は消化できないのではないかとの懸念が和らいだ。
短期金融市場では、年末までのECBの利下げを合計132bp程度と織り込む。初回利下げは6月と想定されている。総じて低調な経済統計を受けて、ユーロ圏の経済見通しに対して懸念が高まっている。
ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想では今週発表されるECBの金融政策判断は3会合連続の政策金利据え置きが見込まれている。