概要:パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同創業者であるビル・グロース氏は米金融当局について、米経済のリセッション(景気後退)入りを回避するため、もはやバランスシート圧縮を停止し、今後数カ月に利下げを開始すべきだとの考えを示した。
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2024年1月23日 6:34 JST
FRBは今後半年から1年にかけて金利を引き下げるべきだ
30、31両日のFOMC会合を前にブルームバーグTVに語る
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同創業者であるビル・グロース氏は米金融当局について、米経済のリセッション(景気後退)入りを回避するため、もはやバランスシート圧縮を停止し、今後数カ月に利下げを開始すべきだとの考えを示した。
グロース氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、自分が金融当局を率いているとすればどのように違った行動を取るかとの質問に対し、「私だったら量的引き締め(QT)をストップする」とし、「現時点で量的な引き締めを続けるのは正しい方向や政策ではない」と述べた。
ビル・グロース氏
Source: Bloomberg
グロース氏はまた、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局が今後半年から1年にかけて金利を引き下げるべきだと語った。
米金融当局が二十数年ぶりの高水準にある政策金利の引き下げを始める正確な時期がいつかを巡りウォール街は強く注視しており、デリバティブ(金融派生商品)トレーダーの一部は引き続き3月にも利下げが行われることを期待している。
グロース氏は「実質金利は単純に高過ぎる」と話した。今年最初の連邦公開市場委員会(FOMC)会合は今月30、31両日に開催される。
実質的な借り入れコストと見なされる米10年物インフレ連動債(TIPS)利回りは昨年10月に2.6%と15年ぶりの高水準に上昇。その後は低下し、現在は約1.8%となっている。グロース氏は「経済が深刻なリセッションに陥らない」ようにするため、1-1.5%程度への低下が望ましいと語った。
広い範囲に及ぶインタビューでは、実質利回りの水準と比較して株価が高過ぎるといった、以前の発言も一部繰り返した。
グロース氏はまた、イールドカーブ(利回り曲線)のスティープ化が続き、長短逆転の解消に向かうとの見通しも示した。