概要:欧州中央銀行(ECB)は25日に開く政策委員会で、3会合連続で政策金利を据え置く一方、利下げは差し迫っていないと投資家への働き掛けを強める見通しだ。
中銀預金金利は3会合連続で現行水準の4%に据え置かれる見込み
ECB当局者は、金融緩和を開始する最も早い転機を6月と想定か
欧州中央銀行(ECB)は25日に開く政策委員会で、3会合連続で政策金利を据え置く一方、利下げは差し迫っていないと投資家への働き掛けを強める見通しだ。
ブルームバーグのエコノミスト調査の結果によれば、中銀預金金利は現行水準の4%で維持される見込み。いつまでそこにとどまるかが一層注目される。夏の利下げが「あり得る」とECB政策担当者の多くが示唆し、ラガルド総裁もそこに加わった。
ECB当局者は、金融緩和を開始する最も早い転機を6月と想定し、その間インフレ率が物価目標の2%に戻るという安心材料を得ようとしているようだ。しかし、4月の最初の動きを織り込む方向に市場は傾いており、ラガルド総裁が食い違う見方を再び押し返すのはほぼ間違いない。
ラガルド氏、明確なメッセージ発信か-ECB6月ごろ利下げ観測高まる
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のシニアユーロ圏エコノミスト、デービッド・パウエル氏は「ECB政策委後の焦点は、ラガルド総裁の会見での利下げに関する発言だろう。4月までに利下げが実現すると期待を示す金融市場の価格設定に対し、それを押し戻す最近の働き掛けを総裁が強めるとみている」と説明した。
ECBはフランクフルト時間25日午後2時15分(日本時間同10時15分)に政策決定を発表し、その30分後に総裁が記者会見に臨む。