概要:米ブラックストーンは、23億ドル(約3400億円)でのローバー・グループ買収計画について、資金調達支援をダイレクトレンディング(直接融資)業者に打診している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、プライベートクレジットによる約2億5000万ドルの融資確保を目指している。
低利の2億5000万ドルの直接融資確保を目指す-関係者
成功ならプライベートクレジット案件としては過去最低の金利水準か
米ブラックストーンは、23億ドル(約3400億円)でのローバー・グループ買収計画について、資金調達支援をダイレクトレンディング(直接融資)業者に打診している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、プライベートクレジットによる約2億5000万ドルの融資確保を目指している。
同関係者によれば、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資大手ブラックストーンは、ペットケアサービスのオンラインマーケットプレイスを展開するローバーの買収資金調達で融資を求めており、金利は担保付翌日物調達金利(SOFR)に約475ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を上乗せしたものになる見込み。
ブルームバーグがまとめたデータによると、ブラックストーンがこの金利水準での借り入れに成功した場合、プライベートクレジットでは過去最低水準の案件の一つとなる。
同関係者によると、少なくとも一部の貸し手はより高い条件を要求している。協議は現在も進行中で、資金調達の詳細は変更される可能性もあるという。
ブラックストーンの担当者はコメントを控えた。ローバーはコメントの要請に返答していない。
事情に詳しい複数の関係者によれば、ローバーの負債対収益比率は約4倍となる見込みのため、今回の買収は他のテクノロジー企業買収案件と比べると保守的だが、この数字は今後変わる可能性もある。こうした買収では通常、被買収企業の負債対収益比率は6倍以上となる。
ローバーの届け出によると、23億ドルの買収金額は、同社の2023年予想収入の約10倍。2億5000万ドルの融資確保を目指していることは、ブラックストーンが他のレバレッジド・バイアウト(LBO)案件よりも借り入れを小さく抑えようとしていることを示している。
ブラックストーンは昨年11月にローバー買収合意を発表。当時の発表資料によれば、両社は24年1-3月(第1四半期)の買収手続き完了を見込んでいる。