概要:米銀JPモルガン・チェースのマルコ・コラノビッチ氏によると、米国の大型ハイテク株などを中心に株価のバリュエーションが持続可能かどうかを見極める上で、今週は極めて重要だ。
今週はFOMCの政策決定とともにテック企業決算発表に注目
JPモルガンの24年末S&P500種予想、ウォール街で最低水準
31日の連邦公開市場委員会(FOMC)の政策決定を前に、JPモルガンは当局が6月に利下げを開始し、その後年内の政策会合では毎回0.25ポイントの利下げが行われると予想した。
インフレ・リスク
コラノビッチ氏はコアインフレ率が2024年前半に市場予想より強めになる可能性が高く、昨年10月後半からの力強い上昇で「割高なバリュエーション領域」に入った大型株とクレジットにはそうしたシナリオが過小評価されているとも指摘。「悪いインフレ率の数値が数回発表されれば、債券市場も株式市場も動揺する公算が大きい。リスク市場は再び 『ハードランディング』の確率の高まりを織り込み始めるだろう」とコメントした。
同氏はまた、中国株と先進国株の乖離(かいり)が極端なレベルに近づいているとの見方も重ねて示した。
同氏の米国株見通しは2年連続で実現しなかった。22年の大幅下落期の大半を通じ強気だったが、昨年の大反騰局面では悲観的な見通しを維持し、景気後退懸念から株式配分を減らしていた。
JPモルガンはS&P500種株価指数が24年末までに4200まで下落すると予想する。これは、ブルームバーグが追跡するウォール街の金融機関二十数社の中で最低で、現在の水準を約14%下回る。