概要:本日の市場サマリー
・複数の市場材料の影響により、ドル円は160円台に迫り、約2か月ぶりの円安水準となった。
・コアコアCPIは縮小続く中、2%の物価目標達成は困難であり、日銀は国債買い入れ減額をさらに遅らせる可能性がある。
・投機筋による米ドル買い・円売りが継続している。
・米財務省は主要貿易相手国・地域の通貨政策を分析した為替報告書を公表し、日本を再び「監視対象」に指定した。
・ドルは今夜発表される予定の6月総合購買担当者景気指数に左右される見込み。
金曜日、円相場は対ドルで6営業日続落した。このまま行くと、3月以来の長期連続安となり、34年ぶり安値水準に再接近しつつある。投資家は日銀が7月会合後に国債買い入れ削減計画をさらに遅らせる可能性があると予想し、ドル円は160円台付近まで近づくと予想されている。
日銀の植田和男総裁は最近の金融政策決定会合で、政策当局者らが債券買い入れ削減と追加利上げの計画を7月会合まで延期することを決定したと述べた。円安により日本の輸出競争力が高まる一方で、輸入コストも上昇するため、政策当局者らはインフレ期待にも懸念を表明した。円安により、インフレがさらに厳しくなる可能性がある。
総務省が21日に発表した5月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は107.5で、前年同月比2.5%上昇した。一方、生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は2.1%上昇と、前月の2.4%上昇を下回った。
FRBの政策当局者らは利下げを年内1回のみとし、発表は最終四半期になると述べている。 FRBの最新の金利予想に反して、金融市場はFRBが2%利下げし、緩和プロセスは9月会合から始まると予想している。
今後、投資家は今夜発表される6月総合購買担当者景気指数データに注目するだろう。総合PMIは製造業とサービス業の低迷により低下すると予想されている。
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