概要:本日、今年最後の日銀の金融政策決定会合が終了しました。日銀は、物価上昇リスクが急激に高まる兆候がないと判断し、今回の会合では金利の引き上げを見送る方針を示しています。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は18日のFOMCで金利を引き下げる決定を下し、2025年に向けては利下げのペースを鈍化させる見通しです。こうした中で、2025年に向けたドル円相場における動向が注目されています。
本日、今年最後の日銀の金融政策決定会合が終了しました。日銀は、物価上昇リスクが急激に高まる兆候がないと判断し、今回の会合では金利の引き上げを見送る方針を示しています。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は18日のFOMCで金利を引き下げる決定を下し、2025年に向けては利下げのペースを鈍化させる見通しです。
こうした中で、2025年に向けたドル円相場における動向が注目されています。
その背景には日本銀行(日銀)の利上げ、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースの鈍化、そして世界的な貿易摩擦が円高を後押しする可能性などが関係しています。これらの要因が複雑に絡み合い、為替市場にどのような影響を与えるのかについて、詳しく見ていきます。
日銀は12月の金融政策決定会合で、金利引き上げを見送る方針を採用しました。物価が急激に上昇するリスクは低いと判断され、今後の経済動向に応じて金利政策を柔軟に調整する考えが示されています。特に、トランプ次期米大統領の政策の行方や2025年春闘の賃上げの動向を見極める必要があり、現時点では政策金利を引き上げるには慎重な姿勢を見せています。
日本国内では、総額21.9兆円の景気刺激策が経済を支えると予想されています。これにより、持続的な賃金上昇が促され、インフレ率は2%以上に維持される見込みです。これが日本銀行の金利引き上げを支える要因となるでしょう。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は2024年12月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25%引き下げることを決定しました。米国経済は底堅い景気と雇用を維持しており、FRBは今後も金融緩和を続ける方針です。ただし、インフレが予想よりも高い水準で推移しており、利下げペースは当初予想よりも鈍化する見込みです。
FRBは2025年中にさらに2~3回(各25ベーシスポイント)の利下げを行うと予測されていますが、インフレ圧力が続く限り、利下げのペースは緩やかになる可能性が高いです。
2025年に向けて、ドル円相場は不安定な下降傾向を見せる可能性があります。その背景には以下の要因が挙げられます。
・日銀の利上げ継続
日本銀行は利上げプロセスを進めており、最終的に政策金利を1%まで引き上げる見通しです。(1回あたり25ベーシスポイント、合計3回の利上げが想定されている)。これにより、安全通貨として日本円の需要が高まる可能性があり、この影響により日米為替レートが下落する可能性があります。
・FRBの利下げペースの鈍化
米連邦準備制度理事会(FRB)は2025年に2~3回(各25ベーシスポイント)の利下げを実施すると見込まれていますが、インフレ圧力の影響により、利下げペースは市場の予想よりも緩やかになる可能性があります。
・世界的な貿易摩擦が円高を後押し
トランプ大統領の再選により、米国と他国間の貿易摩擦が激化する可能性が高まり、日本円は安全資産としての特性から買われやすくなります。特に、日本に対する関税強化は想定されないものの、他国が巻き込まれる貿易摩擦が日本円の価値を支える可能性があります。
国内では、政治状況は安定しており、総額21.9兆円の景気刺激策が経済を支える見通しです。いずれも去年の経済対策の規模を上回る見通しです。この中には以下の政策が含まれます:
・賃上げ促進
・住民税非課税世帯に給付金など
・電気・ガス代料金補助の再開(来年1月から)
・「103万円の壁」基準値を引き上げ、税制改正へ
・半導体およびAIへの投資拡大
これらの施策は日本国内の消費拡大と持続的な賃金上昇を促し、インフレ率を2%以上に維持すると予測されています。これにより、中立金利に戻るのをサポートされ、日銀の利上げ継続が強力に後押しされるでしょう。
トランプ大統領の就任以来、減税、反移民、関税引き上げにより米国のインフレは堅調に推移するでしょう。
・減税は消費を刺激し、インフレをさらに押し上げる
・反移民は米国の低所得層の労働市場を不足に直面させ、米国の賃金上昇を支え、賃金・物価スパイラルを生み出す
・関税の賦課は短期的には輸入品の価格を押し上げ、インフレ圧力を悪化させるが、中長期的には米国の製造業の代替可能性に注意を払う必要がある。
その結果、FRBの利下げペースは現在の予想より鈍化する可能性があります。 2024年12月15日時点の市場予想では、FRBは2024年12月に25bpの利下げを行い、2025年中にさらに2~3回(各25bp)の利下げを行うとしています。
トランプ大統領の第1期を振り返ってみると、日本に対する関税は鉄鋼とアルミニウム部門に焦点を当てたものであり、日本一国を対象としたものではなく、世界的に一般化された関税でした。 トランプ大統領の2期目では、日本だけをターゲットにした新たな関税を課すことはないと予想されます。したがって、カナダ、EU、メキシコ、中国などが米国との貿易摩擦に巻き込まれた場合、日本円は安全資産としての特性から一定の支持を受け、米ドル円の為替レートを押し下げる可能性があります。
外国為替市場では、日本円、米ドル、スイスフランはいずれも安全通貨である。リスクの高いイベントが発生した場合、資金は安全資産である通貨に流れ込む傾向があります。資金の流れの優先順位は通常、次のような原則に従っています。
・同じリスクなら、リターンの高い通貨を選ぶ
・同じリターンなら、リスクの低い通貨を選ぶ
現在の状況では、スイスは利上げの見通しが立っておらず、米国は利下げサイクルに入っています。 したがって、上記3カ国に直接影響を与えないリスクイベントでは、円高になる可能性があるため、ヘッジをする最良の選択肢となり、対円でドルが下落する可能性があります。
テクニカルな観点から見ると、米ドル円の週足チャートには、ヘッド・アンド・ショルダーの兆しが見られます。
左肩は2023年10月に形成され、ヘッドは2024年7月に形成され、右肩は最近形成されました。
ネックラインは140円台付近にあります。為替レートが140円台を下回ると、頭と肩のトップパターンが確立され、米ドル対円は下落傾向に転じる可能性があり、目標水準は130円台、さらに120円台になる可能性もあります。
ドル円が140円台を割り込んでいない場合、為替レートは高値で不安定なままになる可能性があります。
2025年に向けて、ドル円相場は日銀の利上げ継続やFRBの利下げペースの鈍化を背景に、円高傾向が強まる可能性があります。加えて、世界的な貿易摩擦の影響で円が安全資産として買われる場面も予想されます。テクニカル分析でも、米ドル円のチャートにおいて下降傾向の兆しが見られ、今後の為替市場には慎重な観察が必要です。市場の動向を予測するためには、これらの要因がどのように相互作用するかに注目することが求められます。
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