概要:世界17の金融規制当局が連携し、SNS上の違法・不適切な金融プロモーションへの対応を一斉に強化した。ニュージーランド・FMAも参加し、14人のフィンフルエンサーに直接連絡し、問題のあるコンテンツの削除や、ニュージーランド向けサービスの縮小・停止につなげた。日本人投資家が知るべき規制強化の実態を解説。

2026年4月20日、世界17の金融規制当局が連携して「違法フィンフルエンサー(金融インフルエンサー)」への取り締まりを強化する「グローバル・ウィーク・オブ・アクション」を開始した。今年の参加当局は、昨年の9当局から大幅に増え、5大陸をカバーする規模となった。
今回の共同行動に新たに参加したのが、ニュージーランドの金融市場監督局(FMA)だ。FMAは今週だけで14名のフィンフルエンサーに直接接触し、誤解を招くコンテンツの削除、サービス範囲の縮小、そして一部業者のニュージーランド市場からの完全撤退という成果をすでに得ている。
FMA規制サービス部門マネージャーのSamantha McGuire氏は「金融プロモーションがSNS上に急増するなか、消費者保護を強化し、公正なオンライン環境を守るためには国際的な協力が不可欠だ」と述べた。
今年の参加機関のラインアップは圧巻だ。英国FCA、オーストラリアASIC、シンガポール金融管理局(MAS)、香港証券先物委員会(SFC)、インドSEBI、ブラジルCVM、ベルギーFSMA、デンマーク金融監督局、アイルランド中央銀行、ノルウェーFinanstilsynet、カナダ3機関、カタール2機関、UAE資本市場庁、そしてニュージーランドFMAという顔ぶれだ。
昨年の初回行動はFCAが主導した9機関にとどまっていたが、わずか1年でほぼ倍増した。シンガポール、香港、UAEなど主要金融ハブの当局がそろって参加している点は、日本の個人投資家にとっても無関係ではない。
規制当局が特に問題視しているのが「コピートレード」の勧誘だ。フィンフルエンサーが高級車やブランド品、豪邸といった「成功の証」をアピールしながら、複雑でリスクの高い金融商品への参加を促すケースが急増している。
英国FCAは今年、無認可のCFDを宣伝した3名のフィンフルエンサーを刑事訴追した。オーストラリアASICは昨年、無認可でCFDやOTCデリバティブを推奨していたフィンフルエンサー18名に警告通知を発している。
なお、FCAが把握している被害事例では、フィンフルエンサーが宣伝したある1社だけで約9万人超の個人投資家が、4年間で合計約7,500万ポンド(約140億円相当)の損失を出した。ことが明らかになっている。
各国・地域の対応には温度差がある。
香港SFCは2025年11月、Telegramで無認可の投資アドバイスを有料配信していたChau Pak Yin氏に対し、フィンフルエンサーへの初の実刑判決(懲役6週間)を勝ち取った。UAEはこれに先行して、金融コンテンツを発信する個人に対してライセンス取得を世界で初めて義務化した。英国FCAはライセンス制には踏み込まず、現行法のもとでの取り締まり強化を選択している。
ニュージーランドFMAはライセンス義務化を設けていないが、すでにCFDのレバレッジ規制(最大30倍)の導入を検討しており、規制違反を理由にRockfort Marketsのライセンスを取り消した実績もある。
この取り締まりが難しい背景には、若い世代の情報収集行動の変化がある。ドイツのBaFin(連邦金融監督庁)が1,000人の投資初心者を対象に実施した調査では、ミレニアル世代・Z世代の半数以上が「SNSは従来の金融アドバイスの代替になりえる」と回答。フィンフルエンサーをフォローしている回答者のうち57%が、その発信者のリンク経由で実際に金融商品を購入した経験を持つことも判明した。
CMCマーケッツがFCAに提出した別の調査でも、フォロー中のインフルエンサーが取引機会を発信した際、個人トレーダーの33%が実際に売買に踏み切る可能性が高まると回答している。
フィンフルエンサーが紹介する業者が、必ずしも正規のライセンスを持っているとは限らない。「有名インフルエンサーが薦めているから安心」という判断は危険だ。
WikiFXでは、世界各国の規制当局データベースと照合した各ブローカーのライセンス情報をリアルタイムで公開している。口座を開設する前に、紹介された業者名をWikiFXで検索して、ライセンスの有効性・規制当局・過去の行政処分履歴を必ず確認することを強く勧める。
SNS上の「甘い話」を信じる前に、まず客観的なデータで事実を確かめる習慣を持つことが、投資詐欺から身を守る最初の一歩だ。


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