概要:FX・CFD取引を提供する老舗ブローカー「HYCM」の英国法人が、2025年の年次報告書で約23万6,000ポンド、約4,700万円の純損失を計上したことが明らかになった。前年は125万ポンドの黒字だっただけに、わずか1年での赤字転落は業界内でも注目を集めている。HYC

HYCM Capital Markets(UK)Limitedが英国Companies Houseに提出した年次報告書によると、2025年12月期の純損失は23万6,304ポンドとなった。前年2024年の純利益が125万ポンドだったことを踏まえると、1年で業績が大きく悪化した形だ。
売上高は98万1,137ポンドとほぼ横ばい(前年比約3%増)だったものの、管理費が前年の58万908ポンドから130万ポンドへと約2.2倍に急増。これが収益を大きく押し下げた。

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コスト増の大部分を占めたのは、為替変動による損失だ。2025年には41万9,281ポンドの為替損失が発生した一方、2024年は28万3,433ポンドの為替利益を計上していた。この変動だけで70万ポンド超の収益悪化要因となり、小幅な増収を上回る利益圧迫要因となった。
また、2024年の黒字には一時的な押し上げ要因も含まれていた。同年、HYCMはドバイ子会社「HYCM Limited」を経営陣に140万ポンドで売却しており、その際に97万2,102ポンドの公正価値利益が計上されていた。2025年にはこうした特別利益が存在しないため、前年との単純比較には注意が必要だ。
HYCM英国法人は近年、グループ再編の中核的な位置づけとなっている。2024年にキプロス法人がCySECライセンスを自主返上してEUクライアントへのサービスを終了し、ドバイ法人も売却された。現在はロンドン法人を中核とし、ケイマン諸島法人とDIFC(ドバイ国際金融センター)法人を通じて事業を展開している。
バランスシートを見ると、グループ内の関連会社等に対する未払金が前年の70万4,925ポンドから325万ポンドへと大幅に増加している。親会社は、このうち266万ポンドについて少なくとも12カ月間は返済を求めないとする確約書を提出しており、一定の資金繰りの余地を確保している形だ。銀行残高は512万ポンド(前年比76%増)と増加しており、FCAが定める最低自己資本要件75万ポンドに対して自己資本は341万9,051ポンドで、基準を大きく上回っている。
今回の決算は、HYCM固有の問題だけでなく、英国FX・CFD業界が置かれた構造的な厳しさも映し出している。
英国FCAの許認可データによると、2025年12月時点でリテール向けにCFDを提供できる業者は74社にとどまり、CFD関連の規制対象となる105社のうち、約3割がすでに撤退または事業を縮小している。2025年末には別の英国ブローカー2社でも経営悪化が表面化しており、Blackwell Global UKはリテール市場から撤退し、LCG UKも収益が18%減少して赤字に転落した。
一方、XTB UKはコスト削減を背景に税引前利益が116%増加し、FxPro UKも収益23%増で黒字転換するなど、業者間の明暗は鮮明になっている。
規制コストの圧力も深刻で、中規模のFCA規制CFDブローカーが負担するコンプライアンス関連費用は年間32万5,000ポンドから100万ポンド超に達するとの試算もある。英国での年間収益が1,000万ポンド以下の業者にとっては、経営の継続性を左右しかねない水準だ。加えてFCAは2025年11月、CFDプロバイダー各社に対する複数社を対象とした横断的な審査を実施し、一部業者で個人投資家に対する公正な価値提供に課題があると指摘している。
HYCMは1977年創業の老舗で、FCAライセンスを保有する正規業者だ。今回の赤字は、規制要件強化と為替コストが直接打撃となったものであり、直ちに同社の信用力が損なわれたと見るべきではない。同社の役員は2026年以降の黒字回復を見込んでいるとしている。
しかし、こうした財務動向は利用者にとって決して無関係ではない。財務基盤の弱いFX業者が経営上の苦境に直面した場合、サービスの縮小や最悪の場合、事業停止に至るリスクもある。FX・CFD取引を行う際は、業者の収益状況、資本の健全性、そして監督機関の規制水準を把握しておくことが、リスク管理の第一歩となる。
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