概要:22日の東京外国為替市場でドル円は159円台前半で小動き。中東情勢を巡る有事のドル買い、米長期金利低下、介入警戒、連休前の手控えが交錯した。

22日の東京外国為替市場でドル円は1ドル=159円台前半で小動きとなった。中東情勢を巡る警戒と楽観が交錯し、有事のドル買いの巻き戻しは限定的だった。原油高の一服と米長期金利の低下がドル円の上値を抑え、日本株の大幅高に比べて為替の反応は鈍い。
22日午後3時時点の東京市場で、ドル円は159円12~15銭と、前日午後5時比で10銭の小幅なドル高・円安となった。東京早朝は159円近辺で推移し、仲値公示にかけて国内輸入企業によるドル買い・円売りが優勢となり、一時159円10銭台に上げた。その後は159円前後にいったん水準を切り下げ、午後はやや強含んだが値動きは限られた。
正午時点では159円03~04銭で、前日比01銭の小幅ドル高・円安だった。午前9時時点の159円02~03銭からほぼ横ばいで、実需のドル買いが一巡した後は戻り売りに押された。朝方に発表された4月の全国消費者物価は大きな材料にならず、政府・日銀による介入警戒も上値の重さにつながった。
21日のニューヨーク外国為替市場では、午後5時時点で円相場が1ドル=158円95銭~159円05銭となり、前日同時刻から08銭の円安・ドル高だった。米国とイランの和平合意を巡る懸念と期待が交錯し、序盤は中東情勢への警戒から有事のドル買いが優勢となった。
その後、米国とイランが和平合意に近づいたとの報道を受け、原油先物相場が下落し、米長期金利も低下した。これを背景に円が買い戻されたが、材料不足から終盤は158円80銭台から159円近辺でのもみ合いとなった。ヘッドラインに反応しやすい相場環境が、東京時間の方向感の乏しさにつながった。
22日の東京株式市場では、日経平均株価が終値で前日比1654円93銭高の6万3339円07銭となり、最高値を更新した。前日の米国市場で原油価格が下落し、米株が上昇した流れを引き継ぎ、半導体や人工知能関連銘柄が日経平均を押し上げた。
21日のニューヨーク市場では、WTI原油先物が前日比1.9%安の1バレル=96.35ドルで終了した。米国とイランの戦闘終結に向けた協議進展への期待が原油売りにつながり、ダウ工業株30種平均は276.31ドル高の5万0285.66ドルと最高値を更新した。ただ、東京外為市場では中東情勢の不透明感がなお強く、株高を受けたリスク選好の円売りは限定的だった。
22日のドル円を動かした主な要因は、実需のドル買い、中東情勢を巡る有事のドル需要、原油価格、米長期金利、介入警戒の組み合わせだった。仲値前後の輸入企業によるドル買いは円安方向に働いた一方、WTI上昇の一服と時間外取引での米長期金利低下はドル円の上値を抑えた。
市場では、英米の連休を前に取引を手控える姿勢も強かった。日本時間22日夜にウォーシュ米連邦準備制度理事会議長の就任宣誓式を控えることも、積極的な持ち高形成を避ける理由として意識された。
ドル円が159円台にとどまる一方で値幅が限られていることは、円安基調と介入警戒が同時に存在している現在の市場状態を示している。中東情勢への警戒はドル買いを支え、原油安と米金利低下はドル円の上値を抑えている。
日本株は大幅高となったが、為替市場では地政学リスクと政策警戒が重く、単純なリスク選好には傾いていない。ユーロ円は22日午後3時時点で184円73~74銭、ユーロドルは1.1608~1.1609ドルと小動きで、主要通貨全体でも方向感は乏しい。