概要:カナダドル、豪ドル、ニュージーランドドルと原油、鉄鉱石、金の関係を整理します。交易条件や時差相関の仮定例を通じて、資源価格が先に動く場合、為替が先に動く場合、共通要因へ同時反応する場合の違いを解説します。

商品通貨とは、資源や農産物の輸出が経済を支え、商品価格との連動が意識されやすい国の通貨です。代表例はカナダドル、豪ドル、ニュージーランドドルです。ただし、資源価格が上がれば通貨も必ず上がるという法則ではありません。
結び付きを考える軸が交易条件です。交易条件とは、輸出品の価格を輸入品の価格で割り、輸出によってどれだけの輸入品を得られるかを見る考え方です。輸出価格が輸入価格より大きく上がれば、輸出企業の収入や国内景気への期待を通じて通貨の評価に影響する可能性があります。
交易条件指数は、輸出価格指数を輸入価格指数で割り、100を掛けて求めます。 輸出価格指数は輸出品全体の価格変化をまとめた数値で、輸入価格指数は輸入品全体について同じ変化を示す数値です。
資源価格の変化が企業収益、税収、設備投資へ届くまでには時間がかかります。これに対して為替市場は将来の変化を先に見込むため、統計で効果を確認する前に通貨が動くことがあります。反対に、輸出代金の受け取りなどが後から発生し、通貨への影響が遅れるケースもあります。
先行とは一方が先に動くこと、遅行とは後から動くことです。調べる方法の一つに時差相関があります。これは商品価格と通貨の変化を時間方向にずらし、どの組み合わせで同じ方向へ動きやすかったかを相関係数で測る方法です。
相関係数は二つの数値の動きがどれほど似ているかを示します。ただし、高い数値でも原因と結果までは証明できません。確認するときは次の条件をそろえます。
以下は仮定による理論演示であり、現実の売買を指示するものではありません。 輸出価格指数が100から110へ上がって10%高、輸入価格指数が100から102へ上がって2%高になったとします。交易条件指数は110を102で割って100を掛けるため107.84となり、基準の100から7.84%改善した計算です。
提供された豪ドル米ドルの参考値0.701803を0.7020に丸め、仮に数週間後に0.7160へ変化したとします。変化率は0.7160を0.7020で割り、1を引くため約1.99%高です。豪ドル米ドルでは0.0001の値幅を1pipsと数えるので、値幅は140pipsですが、数値が同じ方向へ動いただけでは因果関係を断定できません。

仮定による計算例であり、因果関係を示すものではありません。
商品通貨という分類は、資源価格、交易条件、景気予想が為替へ伝わる経路を整理するための枠組みです。先行、遅行、同時反応を区別する助けにはなりますが、将来の方向や個別の売買判断を示すものではありません。